• 関西日米交流フォーラムでは、職種・専門領域・大学の壁を取り外し、自由な意見交換をする場を提供しています。年4回(1月・4月・7月・10月)例会を開催しています。

2019年度フォーラム講演記録

第140回

1.日時:10月25日(金)19:00-20:30

2.場所:大阪市中央公会堂 第2会議室

3.話題提供者 楠本政幸(くすもと・まさゆき)さん

1972年に松下電器に入社。本社やビデオ本部の海外部門を歩む。*在職中にアメリカ駐在を2回経験(合計約9年間)。2009年に同社を定年退職。以後2014年まで大阪府庁で国際交流監として勤務。現在は「大阪府国際交流財団」評議員長。

テーマ:VHS・ベータ戦争-日本の電機業界の栄光と衰退

要旨:1980年代から90年代の前半にかけて、日本のエレクトロニクス産業はVHS/ベータ戦争、それに続く8ミリビデオ、DVDの開発など技術力、事業戦略で世界を牛耳った。そうしたビジネス現場の一端に身を置いた自身の経験や見聞を交えながら、当時の文献で補強しつつ、元気だった頃の日本の産業競争力の姿とその限界性をお話ししたい。決して研究発表ではありません。一ビジネス戦士の後日談としてお聞き下さい。

第139回

1.日時:7月26日(金)19:00-20:30

2.場所:大阪市中央公会堂 第2会議室

3.話題提供者 長尾晋宏(ながお・くにひろ)さん

        森ノ宮医療大学助教 専門:ヘミングウェイ研究

テーマ:日本人のアメリカへの羨望から模倣、そして自立-文学研究とテニスを例に―

要旨:アメリカ文学研究において、文学研究や批評理論の確立はアメリカが最先端であり、それを日本人研究者は取り入れ/模倣してきた。しかし、アメリカ人でない故に様々なハンデがあった。しかし、近年では日本独自の視点から研究が進められるようになり質・量ともにアメリカの研究者にひけをとらなくなってきている。実は同じような現象がテニス界にもみられる。20年ほど前、アメリカテニス界は羨望の眼差しでみられていた。それ故、日本テニス界は盲信的に模倣した。そこには盲信的であったゆえに、日本人とアメリカ人という違いに対する視点が欠けていた。その結果、現在のテニス界は問題に直面している。しかしそんな中で、その解決策が見いだされつつある。このテニス界の流れについて報告する。

第138回

1.日時:4月26日(金)19:00-20:30

2.場所:大阪市中央公会堂 第2会議室

3.話題提供者 大津留厚(おおつる・あつし)さん

大阪教育大学助教授、神戸大学文学部教授を経て現在神戸大学名誉教授

テーマ:中立アメリカの実践~1914-1917年、シベリア捕虜収容所の救援活動

要旨:1914年にオーストリア=ハンガリーがセルビアに宣戦を布告して始まった戦争の緒戦、オーストリア=ハンガリーはロシア軍に大敗北を喫し、最終的には200万人を超える兵士が捕虜として抑留されることになった。中でも故国から遠く離れたシベリアの収容所では捕虜たちの生活は困窮を極めた。中国に在ったオーストリア=ハンガリーの公館が救援の中心を担ったが、実際に敵国ロシア、特にシベリアで救援の実務にあたったのは中立アメリカの赤十字、在ロシア外交官、YMCAなどであった。ここでは中立アメリカの実践を考察し、アメリカ参戦の意味を再考する。

137回

1.日時:1月25日(金)19:00-20:30

2.場所:大阪市中央公会堂 第2会議室

3.話題提供者 大津留(北川)智恵子(おおつる・ちえこ)さん

関西大学法学部教授。連邦議会を中心にアメリカ政治を研究してきた。近年は難民・移民をめぐる動きを市民社会の側からも調査している。

テーマ:大統領の最初の中間選挙は政権評価の意味が強いが、2018年は都市部と郊外で異なる結果が示された。アメリカ社会の分断線が短期的なトランプ現象ではなく、奥の深いものではないかという懸念をめぐり、みなさんと意見交換できればと思う。